五里霧中に一筋の光を - ひかりば -

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「死ぬくらいなら辞めれば」ができない理由

教職員向けの人権研修で使わせていただいている漫画「『死ぬくらいなら辞めれば』ができない理由」と作者インタビューを紹介します。(※作者のイラストレータ汐街コナさんの許諾を得た上で参加者に配布させていただいています)

同タイトルの漫画は、自殺する人の心理を明確にわかりやすく表している漫画です。自殺を考えたことがある人には物凄く理解できる内容ではないでしょうか。これは自殺というものを考えたことがない人には理解できない感覚だと思います。理解はできなくても仕方がないのですが、自殺を考えてしまう人はこのような感覚に陥っているということは知っていただきたいですね。

<漫画と作者インタビュー>

過労自殺「死ぬくらいなら辞めれば」ができない理由 漫画作者に聞く - withnews(ウィズニュース)

<作者のwebサイト>

イラストレーター 汐街コナさん

 

 大手広告代理店新入社員の過労自殺パワハラ等の疑いもありますが)やいじめによる児童生徒の自殺が報道されると「死ぬくらいない・・・」という論調が必ずと言っていいほど出て来ます。しかし、その考えができるくらいなら自殺などしません。考えられない心理状態になるから人は自殺するのです。そういう世界があるということを知るということが第一歩です。

教職員向け研修の際、この漫画に興味を持ってくださった先生が何名かいます。恐らく、漫画の主人公の心理状態が理解できるのか、そのような心理状態に興味を持つ人、人の死に意識が向く先生だったのでしょう。

一方で、「ふーん」という反応しか示さない先生もいます。既に数回このネタを使って研修実施をさせていただきましたが、「ふーん」という反応の方が多いかもしれません。自殺をするほど悩むということがないある意味幸せな人生を送っているのかもしれません。

後者の人からすると自殺を考えたり、自殺してしまう人のことは理解できないと思いますが、自殺を考えるほど悩んでいる人の相談相手がそういう人だった場合、最悪の結果になる可能性もあります。

相談相手という立場になる人は、少なからず相談者の心理状態には興味を持っておいてもらいたいものです。

理解できなくても構いません。そのような人もいるということを知っていただき、その人の対応法についても知っておいていただきたいものです。

それにより救われるかもしれない命があるのですから。

(c) hikariba