五里霧中 - hikariba -

ネット人権・ネットいじめ・ネット依存で悩める人のためのヒント。講演・研修ネタも公開。

スクールアドバイザー [0025]

2015年から千葉県子どもと親のサポートセンターのスクールアドバイザーとして活動しています。

2014年に別の仕事で講演を引き受けたのをきっかけに、翌年から千葉県のスクールアドバイザー事業推進のためにアドバイザーとして参画させていただいています。

毎年多くの教職員、児童生徒とご縁をいただきますが、教職員の方々のリテラシー向上の重要性を強く感じています。

生徒は新しいものをどんどん取り入れているので、機器の使い方自体は長けています。最近はセーフティ教室も毎年のように行われるため、一般的な危険性は理解しています。

教職員の方々は、立場上、SNSなどの利用に制約があるために使っていないケースが多いようです。使わないが故によくわからないというのが今のネット/SNSトラブルの課題です。

教育相談でLINEなどのSNSツールを使って取り組むようになっており、相談する子供達にとっては相談しやすい環境整備が進んでいます。一方で、相談やカウンセリングのスキルがあっても、ネットやSNSの知識が不足していると、問題の本質理解が十分できません。相談内容の言葉の理解などができず、深刻さやどのようなアドバイスをすれば良いかがわからないということになってしまいます。

変化の激しい世界においては、全てを自分たちで賄おうとするのではなく、ネットワークを構築し、必要な時に必要な人を招き入れ、プロジェクト化していくことが大切です。

千葉県スクールアドバイザー事業とは?
cms2.chiba-c.ed.jp

 


スマホ持たせる保護者の責務 [0024]

中学校での講演機会をいただき、その際に保護者向け配布資料として「子供にスマホを持たせる際の保護者の責務」について整理したものを紹介したいと思います。

ブログで概要をご紹介します。

補足情報やトラブル時の連絡先も整理しましたので(2018/06/26時点)、詳細は別途ご用意するPDFファイルをご確認ください。

準備出来次第、こちらのページでご案内します。(2018/07/02時点追加済)

資料概要

3つのキーメッセージ

①「最大のリスクは『知らない』こと」
②「当たり前が難しい、『当たり前を徹底』する」
③「道具は『人の使い方』次第」

保護者の役割

「学習・実践」で家庭の基礎力・実践力向上が鍵

ルールづくり5step・7point

(1)目的の明確化:子供を守ることが目的
(2)情報の整理:必要な理由と必要な機能を整理
(3)対話・調整:子供と相互理解、建設的協議
(4)ルールの作成:具体的な内容でルール作成
(5)ルールの運用:定期的かつ環境変化でルール改定

<利用シーン7+1(5W2H+1)>
(1) 時間      = いつ・何時まで(When)
(2) 場所      = どこで(Where)
(3) 相手      = 誰と(Who)
(4) 機能/サービス = どのような・何(What)
(5) 使い方     = どのように(How)
(6) 理由      = 何故か?(Why)
(7) 緊急時対応   = どのように(How)
(+1) ペナルティ    = ルール違反時の対応

問題行動を起こしてしまう主なタイミング

① 使い始めの時(危険性を知らない)
② 使い慣れてきた時(これくらいはOK?)
③ 承認欲求が高まった時(見て見て!)
④ 生活の一部になった時(何気なく投稿)
⑤ 感情的になっている時(冷静さを失う)

トラブル予防10か条

<基本3項目>
第一条 判断基準を持つ (危険を理解しルールを設定)
第二条 違うことの理解 (人は皆違うのが当たり前)
第三条 困ったら相談 (何かあったら直ぐ大人に相談)

<やらない7項目>
第四条 個人(自分/他人)情報の投稿・送信
第五条 他人の悪口の投稿・送信
第六条 感情的な時の投稿・送信
第七条 相手がどう思うかわからないことの送信
第八条 知らぬ人に教えない/会わない
第九条 安易な無料ダウンロード
第十条 裸の写真/動画撮影の投稿・送信

スマホ依存の予防法/対処法

・依存予防:スマホ利用時間をコントロール
・軽度依存症:第三者を介した利用時間制御 状況制御
 ※家族や専門機関の協力など第三者介在が必要
・重度依存症:依存症治療の病院や専門機関へ相談
 ※薬物等の依存と同様の処置症状に応じて入院等の措置も必要

 

「スマホを持たせる保護者の責務」資料ダウンロード
※資料は自由にご利用ください

スマホ購入時にやること [0023]

初めてのスマホ購入、キッズ携帯からスマホへの代替え時に、保護者がやるべきことを整理してみました。

 ■スマホ購入時にやるべきこと

  1.  スマホ保有者を明確にする
    ・契約者である親の所有物であることの説明
  2. 子供のスマホ利用目的を確認する
    ・なぜスマホを持たせるか(親視点・家庭の事情・教育方針)
    ・なぜスマホを持ちたいのか(子供視点・やりたいことの確認)
  3. フィルタリングを設定する(18歳未満は義務)
    ・キャリア回線のフィルタリング(ショップで強制的に設定)
    Wi-Fi用のフィルタリング設定も忘れずに設定する(親が設定)
     ※総務省「フィルタリングに関する法制度」 
     http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/filtering.html
  4. ルールを決める(目的と方針に沿って決める)
    ・利用時間を決める(ex.夜は21時まで、1日2時間まで等)
    ・利用可能のサービス、アプリ、サイトを決める
    ・連絡しても良い人を決める(電話、メール、チャット、メッセージ等)
    ・絶対にアクセスしてはいけないサイト、利用NGのアプリを決める
     (ex.大人用サイトやアプリ、闇サイト関連)
    ・絶対にやってはいけないことを決める
     (ex.誹謗中傷、悪口、自分がされたら嫌なこと)
    ・友達が写っている写真や動画を投稿しない、送らない
    ・面と向かって言えないこと、できないことは送らない、やらない
    ・ルールは定期的に見直し、見直す際は家族で相談する
    ・ルールを破ったら没収すること(←これ重要)
  5. 親も勉強・試用する
    ・子供が使うサービスは一度アクセスする、アプリは一度は使ってみる
     (使ってみて初めてわかることは多い+リスク評価できる)
  6. 子供と継続的にコミュニケーションを取る
    ・変化の兆しや子供が何をやっているのかを掴む(←これ重要)
     (結果、見守りにもなる)
  7. 子供の声に耳を傾ける(傾聴)
    ・子供の声、要望からトラブル予防のヒントを拾う
     (子供の話を遮って否定したり、話を被せるのは最悪の対応)

上記7点は、"ちっちゃなパソコン"と言われるスマホを子供に持たせるにあたっての最低限の親の責任です。
これをやるだけでもサイバー犯罪に巻き込まれるリスクは、グッと下げられますので、ぜひ実行してください。

正当にこわがる [0022]

情報モラル、情報リテラシーを養う上で大切なことが「正当にこわがる」ことです。

判断するために必要なことは、何が正しく、何が誤っているのかを知ることです。

知らない状態で悩み、対策を考えているうちは「正当にこわがる」ことはできません。無用な不安、心配をしてしまいます。

不安を感じたり悩んだときには、事実(Fact)を知ることです。

ビジネスの世界でも「事実に基づいた確認」はよく言われることですが、これが案外できていないものです。
一部の不確実な情報を事実であり、全てと思い込んでしまい、ミスリードしてしまうこともあるものです。
情報モラルや情報リテラシーの世界では当たり前のように行われています。

知らないから不安になるということもあります。
知ってしまえば対策も検討可能です。

気をつけなければいけないのは「知ったから安全であると勘違いすること」です。

知っていても、正しい使い方をしていても、事件や事故などのトラブルに巻き込まれることはあります。

常にわからないことは学ぶ(知る)という行動をすると同時に、「○○だけれども○○かもしれない(*1)」という「正当にこわがる」ことを意識することで、携帯やスマホという便利な道具を安全に使えるようになってもらいたいものです。

(*1) 例:危険なことは知っているけれども危険なことに遭遇するかもしれない。

教育相談とカウンセリング [0021]

「教育相談」とは以下のように定義されています。

教育相談(きょういくそうだん)とは、児童生徒の学校生活における学習相談、生活相談、進路・就職相談などを包括しての呼び名である。
(出典:wikipedia「教育相談」)

教育現場における問題発生時(トラブル時)の相談については「教育相談」という言葉が使われます。

「相談」は、困っている時、悩んでいる時に具体的な解決を目的にしており、行動が伴うものです。行動しなければ解決しませんから。従って、相談を受けた人は相談者と共に主体的に様々な解決策を一緒に考え、一緒に行動することもあります。あれしよう、これしようという提案や指示をすることもあります。

一方、カウンセリングは、以下のような定義隣っています。

カウンセリング(英: counseling)とは、依頼者の抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談援助のことである。カウンセリングを行う者をカウンセラー(counselor)、相談員などと呼び、カウンセリングを受ける者をクライエント(client)、カウンセリー(counselee)、相談者/来談者などと呼ぶ。
(出典:wikipedia「カウンセリング」)

カウンセラーが主体的に考え、一緒に行動するということは基本ありません。

傾聴を基本に心理学など専門的な知識や技法を用いて相談者の心のサポートをし、自己解決のための気づきの機会へと導くという表現で伝わるでしょうか。直接的な問題解決行動を共にするということはありません。

「相談」と「カウンセリング」の大きな違いがそこにあります。

スクールカウンセラーの配置が一般化したことから「カウンセリング」という言葉が一般的になり、「教育相談」との区別もなんとなくうやむやな状況のまま、悩み解決の専門家のような誤認識も広がり、「相談」と「カウンセリング」の混同が顕著に見られることも出てきています。

 いじめ問題が発生した時に、スクールカウンセラーにそのいじめ問題解決を求め、期待するのは本来の役割からは誤りです。最近は教育相談にも対応できるスキルを持つ方も増えているようですが、基本は問題を抱える人の心の支えとしての役割になります。心のケアは重要な役割でもあるので関わらないということではありませんが、役割が違うということです。

いじめ問題が発生した場合、教職員(教育現場)が一緒になって考え、問題解決に向けて共に行動するというのが原則の対応です。

ただここでも一つ問題があります。全ての教職員がいじめ問題対応の専門的教育を十分に受けているわけではないということです。要は場当たり的な対応になる場合もあるということです。

最近のいじめ問題発生時の学校や自治体(教育委員会)などの対応を見ても分かる通り、「何をどのように対応すれば良いか」を理解していないのです。

管理職や生徒指導担当教員であれば問題発生時の対応研修を受講していたり、都道府県教育委員会単位で対応マニュアルも作成はされているのですが、受講したりマニュアルがあることと身についているかどうかは話は別です。

受講やマニュアルがあれば対応できるようになっているのであれば、昨今のような対応不備の問題がニュースになることはありません。

教員であれば授業や部活動の顧問、事務作業も含めて様々な教職業務で多忙を極めるでしょうから問題が多い学校でもない限り、いじめや問題発生時の対応については後回しにしてしまうでしょう。

教育相談というものがどういうものか?スクールカウンセラーの役割は何か?学校の役割は何か?ということを整理しておくことが大切なのではないかと感じることもあります。

本題から脱線してしまいましたが、「教育相談」と「カウンセリング」ができる器だけは学校に整備されていきますが、それらをどのように生かすのか(使いこなすのか)という肝心なところが抜けているというのは、情報モラル・情報リテラシー教育の使う人がどのような意識で、どのような使い方をするのか(使いこなすのか)という肝心なところが抜けているのと同じ構図に見えて仕方がありません。

器は使い方次第です。

子供達の悩みや問題も複雑化している状況になっていますので、器を使いこなして子供の悩みや問題を解消し、自ら命を絶ってしまうようなことがないようにしていきたいものです。

情報モラルは道徳教育 [0020]

「LINEで悪口や仲間外れがあった」「twitterで問題投稿があった」
だからその使い方の問題や危険性を伝えて欲しいという依頼を受けることがあります。

使い方の問題であることや危険性を伝えるのは簡単です。
それらを伝えただけで心を入れ換えて問題を起こさなくなるでしょうか。
恐らく同じような問題を繰り返す可能性が高いです。

問題が起こる本質は人としての道徳心、倫理観、自制心の欠如や自分だけは大丈夫という油断です。

小学校低学年であれば知らずにやってしまったということもあるでしょうが今やレアケースでしょう。
人として心が育っていれば、知らずとも問題のあるような行動は起こしにくいものです。

子供の場合、詰まるところ家庭教育の問題でもあります。
家庭教育で育まれた道徳心、倫理観、自制心をベースに学校教育や学校生活での応用力が積み上がるのです。

ベースがなければ砂の土台の上に家を建てるようなものです。

子供の基礎を作るのは家庭教育です。
やり方は千差万別、家庭によって違いはありますが、人として生きていく上で最低限必要な道徳心、倫理観、自制心を家庭教育で身につけられるような親子関係、家庭環境とすることが問題を本質的に解決するためには必要なことなのです。

家庭が学校教育に過度に依存している今の現状は異常であり、意識改革をしなければいけないレベルにあると考えておいた方がよいでしょう。

福島の原発事故被害で避難してきた子供への犯罪的ないじめへの当該学校や管理監督する横浜市教育委員会の対応など見れば、教育界の改革が必要なことは明らかです。

大人があの対応では子供の心など育つはずがありません。
子供は大人のことをよく見ています。
そして大人が思うほど子供は馬鹿ではありません。

育むべき時に必要な教育をすることをする。
その一番が大人がやって見せることです。

もしも学ぶ機会がなかったがいたとしたらそれは大人の責任です。そして子供にとっても社会にとっても不幸でしかありません。

不幸の連鎖を断ち切ることができるのは道徳心であり、その心を育むのは大人であり親であり教育関係者です。

意識を変えねばならないのは教育界に関わる大人です。

ちょっとまて! [0019]

「ちょっとまて!」
この一言でトラブルを防げるかもしれません。

小学生向けにできるだけ分かりやすく伝える方法として、映像とキャッチフレーズ一言というのを試しています。

小学校だと45分授業です。
集まる時間や挨拶の時間を考えると長くて正味40分です。
1回限り40分の話の中でいかに記憶に残してもらえるか。

危険性があることを知り、気をつけてもらえるよう意識してくれれば確実にトラブルは減少します。

映像はインパクトがあり、イメージを持ってもらうには適しています。
そこにわかりやすいキーワードを楔として打ち込むことで安全な側に引き戻す、考えるきっかけになればと考えています。

言われたことをそのまま受け止めるだけではなく、応用ができるように「考える」きっかけとしてもらえるような仕掛けも日夜考えています。

ニーズがある限り今後もライフワークとしては関わり続けることになると思いますので、こういう話をしたら反応がよかったよという話はもちろん、この話は散々だったという情報もお待ちしております。

(c) hikariba