五里霧中に一筋の光を - ひかりば -

きまぐれコラム・社会の疑問や講演ネタの紹介など

常識は非常識

「大人の常識、子供にとっては非常識」

教職員研修や保護者向けの講演会で必ずお伝えしていることです。

「自分が学生(子供)の頃は・・・」この言葉が出てきたら危険信号です。

社会は変化しています。その変化を無視して過去の自分の体験や経験からだけ物事を見てしまうと、コミュニケーションギャップが生じます。そして判断を誤ります。

大切なのは今、目の前の現実が何かということです。

ビジネスにおいても正しい答えを導き出すには「ファクトベース」、事実に基づいて考えることが大切であるという考え方がありますが、情報モラルやリテラシー教育においても全く同じです。

今の子供社会の現実を見ずに、数十年前の自分の子供時代の常識から考えても実態に即した答えが出てくることはありません。

トラブル発生時の的外れな対応をしている学校などは、恐らく自分たちの常識でやっているのでしょう。そのような対応では炎上しても、トラブルが拗れても仕方がありません。しかし、そのことで子供を死に追い詰めたり、将来にわたって心理的障害を負わせてしまう場合は、仕方がないでは済みません。いじめ問題で呆れた対応をする学校などは典型です。

まずは一旦、自らの常識という殻を壊し、今、目の前で何が行われているのか、どのような構造になっているのか、どのような人間関係になっているのかという現実(事実)を真摯に見ることです。そこに自分の思い込みを入れる余地はありません。

「常識は非常識」であるという前提で向き合うことが、トラブルを拗らせたり複雑化させない基本的な対応の一つです。

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