五里霧中に一筋の光を - ひかりば -

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ネットいじめの理解

下記の表はネットいじめと従来のいじめを比較したものです。

ネット上で行われるかどうかの違いだけではなく、ネット特有の問題点、対応が必要なこともあります。

ネットと従来のいじめの違いで一番特徴的なことは24時間365日、場所を選ばずに攻撃を受ける環境にあり、あっという間に深刻な事態に陥る危険性があるということです。無料の通信アプリかつクローズドの環境でのやり取りができるツールが普及したこともあり、問題発見が遅れるケースが多いようです。

従来はいじめの現場、対象者から離れ、自宅に戻れば少なくとも物理的に安全な場所が確保されていました。しかし、ネットいじめの場合は、ネット接続環境が身近にある限り、どこにいてもいじめられる環境になってしまいます。

対策として大人は安易に携帯やスマートフォンを取り上げてしまおうとしますが、子供にとっては他の人とのつながりも断絶されると感じることもあるため、そういう気配を感じると「いじめられていない」「いじめなどない」ということで反発することもあります。また、取り上げたところで自分が見ていないところでいじめ行為が行われ続けているという不安感からは逃れられません。加害者の行為そのものを止められなければ解決はありません。行為を止めるためには、加害者がいじめの犯罪性や人権問題という認識をし、心から反省しなければなりませんが、そのような指導がどの程度行われているでしょうか。頭ごなしに怒り、形式的に被害者に頭を下げさせたとしても、加害者の本質的な反省がなければ繰り返します。酷くなる場合もあれば、対象を別の子に変えて行うということもあります。

いじめを理由に転校などして物理的に離れたとしても、転校先にいじめられていた子供の情報がいじめをしている人たちによって拡散され、転校先でもいじめの対象とされるようなことも起こっています。これは加害者側が罪悪感を感じていないことにより起こります。

道徳心の欠如」と一言で片付けるのは簡単ですが、その欠如した道徳心を育むのは一朝一夕では叶いません。罪悪感を持たない加害者は、いじめを娯楽の一つとして捉えている場合もあり、加害者の意識に根気強く働きかけることが求められることもあります。家庭に問題がある場合も多いため、加害保護者との関係性も重要になります。

被害者の身(安全)を守ることが第一ですが、同時に加害関係者者対応も重要なことであることを理解することが必要です。 

【表】ネットいじめと従来のいじめの比較

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(c) hikariba