五里霧中に一筋の光を - ひかりば -

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道具と言葉をいかに使うか

「道具と言葉をいかに使うか(使いこなすか)」

情報モラル講習において、必ず伝えなければいけないポイントです。

小中学校のセーフティ教室では、道具の使い方として「包丁」を引き合いに出すのですが、「スマホという道具でも使い方次第では人を殺せてしまう」という少々ドギツイ話をアイスブレイク後の少しのほほんとした状態の時に伝えてから詳しい解説に入っていくようにしています。

スマホはあくまでもコミュニケーションや情報収集、娯楽の道具でしかありません。

使い方さえ誤らなければ、非常に便利な道具であることは間違いありません。しかし、誤った使い方に関する教育は殆どなされていないのが実態です。

当初は「道具をいかに使うか」ということにフォーカスを当てていたのですが、トラブルの多くがコミュニケーションに起因することが多いため、最近は「道具と言葉をいかに使うか」ということに改めました。

熱心な家庭では購入時、使用開始時に話し合いをしているのですが、何の話し合いもなく買い与えているだけの家庭も3-4割程度あるという調査結果もあります。

<参考>

青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等調査結果|東京都

インターネット利用「ルール決めていない」家庭は約4割 | リセマム

 もっとも大人も使いこなせていないので、子供の周りに悪い見本が溢れており、悪い見本を見せておいて指導をしようがないという実態もあったりします。

<参考>

20~30代の男性会社員200人を対象にアンケートを行った。(協力/アイリサーチ)
<経験したことのあるスマホに関するトラブルTOP10>※複数回答
1位 肩こりや睡眠不足など、スマホの利用しすぎによる体の不調 14.0%
2位 ゲームアプリなどへの過剰な課金 13.0%
3位 LINE既読スルーなどによる人間関係の悪化 11.5%
4位 SNS上に投稿した内容による人間関係の悪化 8.5%
5位 LINEやFacebookなどを使わなかった結果、人と疎遠になった 7.0%
6位 スマホの紛失による個人情報流出 4.5%
6位 仕事中のSNSやゲームがばれた 4.5%
8位 個人情報を抜き取られるなど、不正アプリによる被害 4.0%
9位 SNS上に投稿した内容の炎上 3.5%
9位 架空請求被害 3.5%
※番外
スマホにまつわるトラブルは起きたことがない 57.5%
出典:スマホゆえのトラブル経験TOP10 | R25スマホ情報局

 

 保護者同士のLINEのやり取りで学校の先生の噂話を回していたり、その噂を基に学校に問い合わせをしてきたり、他の保護者の悪口を言い合っていたりするのですから、笑うに笑えません。その親のLINEをやっている姿を子供は見ていて何を思っているのだろうか・・・と。 

<参考>

ママ友トラブルの大きな原因の1つ、SNS!あなたは大丈夫?失敗談紹介 [ママリ]

 

 最近学校に「ぜひ強化してくださいね」と伝えているのが「保護者向けの教育機会の提供」や「情報提供」です。コンテンツ探しが大変なようなので、研修データは全て学校に提供し、使えるものは使ってもらうようにしています。

一部ひかりば公式サイト上でも勉強会で使える資料を公開していますので、教育目的での活用であれば自由に転用してください。学校で使用するに際しては特に許諾などは必要ありません。

資料だけ見てもちょっとわからないので解説して欲しいという場合もお気軽にお問い合わせください。

道具と言葉を使いこなせるようになるための基礎は「道徳観」にあります。

子どもの世界をあれこれ言う前に、大人の世界の「道徳観」を見直す必要があるのかもしれません。

(c) hikariba